歯周病は、「歯」 と 「歯ぐき」 の 「すき間」 から、歯垢(プラーク)に含まれる細菌が入り込み、発症します。
歯周病は、「歯槽膿漏(しそうのうろう)」とも呼ばれており、ある種の感染症と言えます。
この細菌は、歯と歯ぐきのすき間からどんどん奥へと入り込み、隙間を広げていき、「歯周ポケット」を形成するに至ります。
この歯周ポケットは、歯科医院での歯周病検査で、「プローブ」 と呼ばれる器具で、その深さを測定しますが、4mm以上になると 「歯周病」 という病名がつきます。
そして、徐々に歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしていき、やがて歯はグラグラになり、とうとう抜け落ちてしまうという恐ろしい病気です。
※正確には、骨は自らを守るために、感染した部分を避けるように、退縮していきます。
歯肉炎の場合、炎症は歯ぐきのみに限局していますので、他の歯周組織は健康です。そのため、早期治療を行えば元の健康な歯ぐきの状態に戻すことが可能です。
歯周炎の場合、歯周病菌が歯ぐきだけではなく、歯を支える骨にまで拡がり、骨の一部が失われてしまうので、元の状態に戻すことはとても難しくなります。
つまり、最初に歯肉炎が起こり、それを治療せずに放置していると歯肉炎が悪化し、炎症が進行して歯周炎になってしまうのです。
軽度の歯周炎は外科的処置を行い、中度の歯周炎は外科的処置に加え組織の再生療法を行います。ところが重度の歯周炎の場合は、改善を図ることが難しいため、抜歯になるケースが多くなります。
歯周病の有病率、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割と言われており、まさに「国民病」であると言えるでしょう。
歯周病は、ただ単に歯を失うということだけではなく、全身の健康と関係していることがわかっています。歯周病菌が身体の中に入り込むことで、様々な病気を引き起こします。